CASE STUDY 41
PLACE

愛知

OVERVIEW

技術開発

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経年変化する黒皮メタル

“金属は経年変化により味わいある表情をもたらす”

黒皮鉄とはなにか。

黒皮は、屈指の人気を誇る金属の表情です。特に、熱間圧延と呼ばれる方法で製造される黒皮鉄は、酸化被膜で覆われており、その強度性能や色味などが人気で、現在ではさまざまなシーンで使用されているのをみることができます。この製法の特徴は以下の通りです。 ・900℃~1200℃で圧延されており、他金属と比較すると加工がしやすい。 ・コストパフォーマンスも優れている。 この方法とは逆の方法で、冷間圧延という方法もあります。 こちらも人気ですが、この材料は酸化膜が無いため、表面が非常に滑らかで光沢がある反面、非常に錆やすいため、表面を常に保護する必要があります。

好まれるものの、扱いが難しい素材。

「黒皮鉄」がフィーチャーされる所以は、塗装では表現できない表情や風合いにあります。黒皮鉄は経年変化によって風合いが増します。トップコートをせずに黒皮素地を活かすことで、味わいのある表情となります。表情や風合いの経年変化を愉しむことが出来る反面、問題が起きやすいのもこの「黒皮鉄」。黒皮鉄は表面材としてそのまま使用することもできますが、「材料屋から入って来た時から傷まみれ」「柄がまばら」「さびやすい」という欠点があります。 黒皮鉄は問題が起きやすいのをなんとか処理していくのも、我々の腕の見せ所でもあります。たとえば、溶接や切削・研磨加工をした黒皮製品をショットブラスト処理を施し、弊社開発の加飾剤を用いて加飾を行い、トップコートすることで遜色無い黒皮を表現することが可能です。これであれば信頼性を格段に高めることができます。

特殊コーティングによる黒皮鉄仕上げとVeroMetal HD 黒皮仕上げ

さらに、特殊コーティング「VeroMetal」や「VeroMetal HD」を用いることで、我々が自信をもってご提案できるレベルの黒皮鉄の生産を実現しています。鉄表面の黒皮は、約1000℃の高温で成形し温度が下がるときに表面が酸化して被膜がつくられるのが本来であり、ゆえに、偶然の産物的な表情や色の濃淡が決め手となるため、人為的なコントロールが極めて難しいものでした。 しかし、VeroMetalを用いた黒皮鉄であれば、濃淡などを自由自在に調整することが出来ます。これを使って、我々は、黒皮鉄仕上げによる加飾処理の事例を蓄積し、豊富な実績を誇っています。もちろん、仕上げた後の耐腐食性能のみならず、経年変化をも実現しています。私たちには、多くの方に、黒皮鉄の魅力をお届けできる体制が整っています。