CASE STUDY 55
PLACE

愛知

OVERVIEW

研究開発

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溶射線材の保管と品質

自社では塗装前に亜鉛による防蝕処理を施すことが多く、また防蝕処理したのち他金属を溶射して意匠性を持たせた仕上げを日々行うなどさまざまな創意工夫に取り組んでおります。溶射による加工をするにあたって、生命線とも言える溶射線の保管方法について常に品質向上を図ってきました。 というのも、溶射線は線材なため表面積が極端に大きく、保管環境次第ではすぐに使えなくなることもあるからです。溶接線と同じく溶射線も水分や湿気がある場所は大敵、従来は線材をラップして乾燥材をつけて乾燥棚に保管していました。しかし、これだけでは問題は解決せず、多くの錆が発生し手を焼きました。

現在の保管方法

さまざまな失敗や成功を蓄積して品質管理は向上します。現在の溶射線保管方法は徹底したものです。まず、溶射ロールの表面ラップで養生します。次に、乾燥剤と共にクラフト紙などの基材にし、防錆剤を含浸させた防錆紙を同封してから、チャック付き袋に入れて保管しています。 こうすることで、チャック付き袋に同封した防錆紙から気化した防錆ガスが金属ワイヤー表面を取り巻き付着して、水分に溶解することで防錆皮膜となり、錆の発生要因となる水分と酸素を遮断します。こうして初めて、溶射線の腐食や劣化を防止することができました。しっかりと、エビデンスのあるアプローチへとバージョンアップしたことで、品質管理レベルも向上。社内の5Sレベル向上にも寄与しました。