CASE STUDY 53
PLACE

愛知

OVERVIEW

脇役としてのメタル

アイチ金属にとって、精度は極めて重要な意味を持っています。精度と一口に言ってもさまざまです。住宅において、我々が提供する門扉や窓枠などは、住宅を組み上げた結果生じるわずかな精度の誤差を、現場施行によって調整することで、製作時に仕上げた精度を仕上がりの精度として具現化しています。ある意味において、製作時の指示精度を現場で調整してしまうわけですが、これも、精度をマスターし調整できる技量がなければなりません。 一方で、工業機器や精密機械などを取り付ける脇役となる工業架台やフレーム製作に求められる精度は、いわば標準化されるといった類のものです。時間や、測量の精度が狂ってしまえば、前提条件がすべて変わってしまうように、工業機器などを設置する台に求められる精度は、その上に乗り、活用されるものに必要とされる精度そのものなのです。となれば、コンマ何ミリといった狂いですら許されません。

架台やフレーム製作と作業効率向上

精密機器や工業機器などの使用用途に応じた架台やフレームの製作や設置方法の試行錯誤を行うさい、デジタル機器が役に立ってくれる時代になりました。伝統的には定規、ノギスといったものの活用から、設計図面上の公差、素材の歪みや伸縮などをマスターすることによって、組み上がったり、使用する状況を判断しながら誤差を計算し組み上げる技術が求められます。 さらに、設置した機器類を移動させることも視野に入れる必要があります。ジャイロなど高度なものを用いる対応を行うには知見不足ですが、ゆくゆくはそうしたニーズに応えていく必要があるのかもしれません。さらに作業者の作業効率の向上を考えて形を作ることも重要です。

道具としての架台

こうして、「道具」として使用される架台が作り上げられます。ごくごく当たり前のことですが、ただ、素材を組み上げればいいわけではないのです。高強度で安全性といった機能面が重要であり、使い勝手もまた同様に重要です。写真のように我々が作るシンプルなものでもそうなのです。より精度の高い機器を扱う先端産業の建屋などにいったっては、どれほどの精度が必要となるのか、またどれほどの技術が必要となるのか想像に難くありません。 工業先進国には、そうした技術があり、その上に先端的な機器類が稼働していることを理解すべきだと思っています。我々が作るものは、小さな骨子程度のものですが、作るたびにそうした畏怖の念が湧いてきます。同時に、遠い分野の話なのではなく、我々にもしっかりとそのエッセンスを感じ、学ぶことが重要なのだと思い知らされる仕事なのです。

脇役としてのメタル製品の新たな可能性

住宅や建築の顔となる金属製品だけではなく、脇役としての工業機器や架台のフレームを製作させて頂くことでまたメタルの新たな可能性を見つけることが出来ます。