CASE STUDY 52
PLACE

愛知

OVERVIEW

案件事例

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巻くメタル

木材を用いた伝統的な手法のひとつに、麻縄を角材や丸棒に巻き付けるものがあります。滑り止めの効果もありますし、角で怪我をしない優しさもあります。道場にあれば緊張感のある道具でしょうし、神事に用いればそこには高潔な雰囲気がでます。何かに素材を巻き付けるというプリミティブな手法は、古今東西、あらゆるシーンで用いられる意匠であり機能です。 この意匠を用いた階段手摺製作の依頼がありました。「革巻き」や「麻巻」も私たちの手によって丁寧に仕上げられます。金属の頑丈さと「革」の耐久性と強度があり手に優しい素材を持ち合わせた手すりとなり、ナチュラルな手すりとなりました。金属と異素材の組み合わせの中にも、機能性と意匠性が同居しうることを発見できました。

プリミティブな手法

プリミティブ=原初的、原始的なものは、自然界の中にヒントを見つけることができます。たとえば、蔦系植物は他の植物に巻き付きながら自らを安定させていきます。細かな凹凸がある石や樹木には引っ掛かりが多くなり、動植物がそこに集いやすくなります。私たちが、こうした意匠を見た時にさまざまなことを想起するのにはそうした理由があるのかもしれません。 特に今回は素材感と色味などを統一させるデザイン手法によって、しっかりと高級感が演出されていることは大きな特徴だと言えます。さらに、納品されたものではなく、自ら巻きつけていくという方法をとったことで、関わる人たち、ここに居住する人たちにとって儀式的な意味合いが生まれ、強い愛着と記憶を創発することは間違いありません。ただ表面的なものではなく、深い物語とともの意匠がある素晴らしさを学ぶことができた案件でした。