CASE STUDY 13
PLACE

愛知県名古屋市

OVERVIEW

手すり&階段

1
見えないメタルの品質。

ガラス手摺と、家の外観の印象づくりをマッチさせた好例ともいうべき住宅が当案件でした。ガラス手摺は意匠としても、機能性的にも優れているため、好まれる部材ですが扱いがなかなか難しいのが特徴です。また、我々としては、意匠的な意味合いはもちろんですが、家の表情そのものでもあることからガラスを固定するフレームの耐久性に関しては大変に品質に注意が必要なアイテムだと言えます。 今回は長さも求められたことから、接合面の強度が鍵となり、また運搬時にも破損や傷が残らないように対応が求められるなど、目に見えないところでの品質を重要視しました。物件全体で言えば、階段、屋上手すりなども弊社にて製造していたことから、部材搬入などにおいてもしっかりと社内フローの確認をしながら進めていきました。

工場内管理のブラッシュアップ

工場内のフローのアップデートに”完成”はありません。それこそ、常に流動的にアップデートを繰り返していきます。これは、アイチ金属が加工業であることにも起因します。というのも、常に同じオーダーがないためです。形状が同じであったとしても、少し前に手がけた案件で得られた知見によって発想が変わっているでしょう。すると、アイデアがより豊かなものとなり、前回よりもより早く、より品質高く具現化できるようになるのです。 当案件に至るまでに手がけた無数の案件が、我々のワークフローそのものを常に進化させてくれます。この恩恵を品質に変えてお客様にお届けすることも、我々の日常でなければなりません。仕上がった住宅の裏側で、我々がどれだけ汗をかけるか。そしてどれだけ進化できるのか。こうしたことが、関わった住宅の部材を見ているときに思い出や戒めとして脳裏をよぎるのです。

人の手で丁寧に仕上げていく

我々の工場は、何も最先端の設備がバンバン揃っているわけではありません。むしろ、見る人が見れば古い機械が渾然一体となっていて、不思議な印象を受けるかもしれません。これは、結局のところさまざまな形状や色味、仕上がりに応えるために最も重要なのは、人間の目と手による仕上げであることを我々が理解しているからです。もちろん、先進機械が生み出す美しい規格品も素晴らしい。しかし、ユニークなアイデアに丁寧に応えていけるのはやはり人なのだと思ってます。 そのために、職人集団であることと、職人たちが技術を磨き上げる環境があること。そして、職人が使う”道具”として、先端から、古くても唯一無二の使用感が重視した設備を整えています。現代ではなくなりかけている昔の機械にしか出せない味を探し歩いて、発見することもしばしばです。もちろん、この道具としての機械を発見した時の喜びはありません。我々が手がけるすべての案件には人の熱が詰まっています。ただの建築の一部材にすぎない我々の納品物ではありますが、ぜひそのようにしてご覧いただければ幸いです。