CASE STUDY 35
PLACE

アイチ金属

OVERVIEW

技術事例

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電子制御機構の構築。

電子制御、と一口にいってもその手法、機構は千差万別です。一見、金属加工を生業にしている我々とは無縁の世界のように感じられますが、どんな分野にとってもすぐ隣の技術といっていいでしょう。たとえば、我々がエレベーターの扉を作る時、それはひとつの大きな電子制御体であり、我々はその表情に当たる部分を作っていることになります。 とはいえ、我々の社内において電子制御そのものが組み立てられるわけではありません。しかし、アイデアや構造のコンセプトについて語ることはできます。さらに、外部パートナーの存在によって、形づくることも可能です。つまるところ、具現化する方法は常に存在するのです。

所作のような世界

本案件は、家具の製作でした。その家具は、手洗いが内包されているのです。そのため、扉を開けて閉める際に手が濡れていれば扉部分の痛みが早まります。さらには、水回りを常時隠すことで空間に新しい緊張感を作り出すことができます。これらの要素を満たすには、扉が人を感知して自動で開閉することがベストな選択肢であるという結論にいたりました。 実は、アイチ金属の社長室と外部の入り口部分には、ひとつの金属扉が設置されています。これは、暗証番号で開く仕様になっています。扉を弊社で作ったため特注となり、この電子制御を組み上げてくれた企業が我々のパートナーでもありました。そこで、今回の用件定義を伝え電子制御部分の開発を実行することになりました。

シンプルで理解できること。

出来上がった電子制御は、極めてシンプルなものです。そもそも扉の自動開閉自体は珍しい機構ではありません。しかし、これが家の中に置かれる家具であり、さらに手洗いが内包されているものとなると、その機構がスペシャルなものになります。扉上部に、基板から組み上げた制御盤と、モーターで扉を開閉する機構を組み合わせています。動きは、なめらかさを追求しました。本当に簡単なものですが、金属加工という領域に、電子制御というスペックが加わることで、我々も新しい表現を手に入れられます。今後のメンテナンスも含め、新しいチャレンジはいつでも大きな気づきを与えてくれます。