CASE STUDY 2
PLACE

技術開発分野

OVERVIEW

アイチ金属 × テクノロジー

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仕上げに"ようしゃ"する。

建築にはいくつかの段階がありますが、我々の出番はずっと後の方です。土地の整備→基礎の構築→構造構築→壁の構築といったた構造周りのことが完了し、仕上げ工程に移行してからになります。この仕上げもまたさまざまです。クロス貼り、化粧板、漆喰塗り、コンクリ、、、などなどの中に、我々の金属部材が登場します。たとえば、弊社が手がける鉄製の門扉や手すり、階段といったものから、表面処理を施した金属板などすべてがここにカテゴライズされます。 建築部材はすべて現場に持ち込まれ組み上げられていくので、どの工程段階でも必ず部材には傷がついたり、ちょっとした凹みが生じやすくなります。これは絶対に0にできないのですが、どうしたって建築都合にはなってしまいます。仕上げ工程に関しても同様で、現場においてちょっとした部材同士のぶつかりあいなんかが生じたら目も当てられません。そこで、弊社では、自社からスタッフが現場に行き、自分たちの部材管理と、組み上げを丁寧に行います。また、多少の傷の修復もその場においてできるノウハウがあります。

美しい塗装を求めて。

そんな我々にも防げないものは自然の力です。特に風雨というのはもう圧倒的です。瞬間の力ではなく継続の力でもって、あらゆる素材を摩耗させていきます。我々でいえば、外壁に使われる表面処理加工済の金属板塗装は、常にこの課題を抱えています。とはいえ、単なる金属板では建物の表情が味気なくなる。そこで我々は常に表面処理と表面塗装の方法論を追求し続けています。しかし、建築分野の領域で言えば塗装の技術はそこまでレベルが高いものではありません。 そこで我々は、徹底的に美しく、同時に耐久性の高い塗装方法を模索しました。最終的にたどり着いたのは、車の表面塗装です。代表である山田の経営者仲間に車の修理工場を営む経営者がいて、その方の話がヒントになりました。車の塗装は風雨にさらされ続けても、美しいままです。建築の塗装とは根本的な考え方が異なるためです。同時に、建築分野から考えればとてつもなく高いコストでの処理となります。最初はアウトソースしていましたが、最終的にはすべて自社内に設備を導入し塗装ができる体制を構築しました。これによって、高精度で高耐久性にすぐれた塗装をある程度抑えた価格でご提供できるようになったのです。

溶射の新しい活用方法

そして現在、さらなる活用方法の模索に取り組んだ結果、古くからある方法の新しい活用にも取り組んでいます。それが「溶射」。これは、溶かした金属を吹き付ける方法であり、手法そのものが真新しいものではありません。アイチ金属がなぜこれに取り組んでいるかというと、金属を手元で溶かすため母材そのものに、熱による歪やゆがみなど被害を及ばさないことに加え、結局は塗装をよりがっちりと表面に施すためです。溶射によって、金属面には凹凸が生まれます。ここに、塗装の下地材ががっちりと噛み合うことで、繊細と言われる塗装でもほとんど剥げることのない処理が実現できるようになりました。 これによって、私たちは新しい表面処理をどんどん試すことができるようになっています。加飾処理もそうですし、サビ付け、研磨、リン酸処理など、素材もステンレス、鉄、真鍮、銅とさまざまです。一旦下地に溶射処理を施すことで、その後の製品の丈夫さが全く違ったものになります。美しさを求める多くの建築物のファサードへの妥協は一切ありません。