CASE STUDY 17
PLACE

愛知県名古屋市

OVERVIEW

窓枠&階段&取手

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和の大空間。

和の空間が放つ緊張感と美しさは、現代建築においても圧倒的な存在感をもっています。今回の案件は、庭の借景と組み合わさるというコンセプトであり、したがって景色を切り取る窓面に強いこだわりが現れていました。窓枠の存在を感じない。それでいて、耐久性と安全性はしっかりと担保することが求められました。 デザイン上の狙いは、透明なふすまです。実際、窓面には襖の取手部分が描かれており、これによって、窓のフレームの存在感がフッと消える効果をもたらしています。もうデザインの力以外のなにものでもない秀逸なものです。

アイデアの可能性

アイデアというのは、知識や経験がある人間であればそれこそいくらでも湧いてくる時があります。しかし、具現化できなければそのアイデアそのものにはほとんど意味がありません。あくまで、具現化できる。または、その力を持っていることが前提になければなりません。工場でこのフレームを製作しているときには、ステンレス素材に、指定の塗装がほどこされた金属の枠にすぎません。 それでも、その質感の打ち合わせは回数が多かったです。結局、この設計上のアイデアは、この空間における最大の表情であり、肝です。したがって、アイデアを具現化するプロセスそのものに緊張感がありました。このプロセスに具現化する技術とアイデアでしっかり応えられる、これもアイチ金属の重要な品質だと考えています。

モダンで先端性のあるアイテム。

この物件は、和の大空間とは別に、近未来的なガラスとメタルを組み合わせた階段と手すりも備わっています。緩やかであるが故に、贅沢に空間を使いながら弧を描く階段と、そこに続くガラスの廊下と、下に広がる大理石の床への流れは、イギリスなどのモダニズム建築の印象です。 これだけ大きな弧を描く手すりの製作や、巨大な金属部材の作製などにも、アイチ金属の技術がふんだんに用いられています。塗装一つをとっても、こだわりのある仕上がりとなっており、ガラス面があることからも小口の仕上げや耐久性などにも徹底した品質を求めています。